今年も『第21回ムジカおさらぎ定期演奏会』が4月19日(日)、鎌倉芸術館大ホールにて行われました。
指揮は佐藤ゆり先生、ピアノは高須亜紀子さん、司会には元文化放送アナウンサーの戸谷真人さんをお願いしました。
合唱参加者はソプラノ128名、アルト108名、テノール39名、バス28名、総勢303名の大所帯です。
舞台では、NHKテレビドラマ「春よ来い」のテーマソングでお馴染みの「春よ来い」がピアノ(高須亜紀子)、
サクソフォーン(中村均一)、コントラバス(小室昌広)の演奏で静かに流れ始めました。
さて、いよいよ日頃の練習の成果が問われる時が近づきました。舞台袖で楽譜を見直しながら、
今まで受けてきた指導のポイントを心の中で復習。そして、ボイストレーナーの佐藤望先生のやさしい励ましの言葉を
思い出して、心を落ち着かせます。
舞台へのドアが開き、サクソフォーンの音が一段と大きく聞こえました。
私の心臓の鼓動もサクソフォーンに負けじと高鳴ります。期待と不安を胸に、初めての定期演奏会のステージに向かいます。
舞台両袖から続々と団員が登場します。人数が人数ですから、全員が入場し終わるにはかなり時間がかかります。
舞台に並んで客席を見ると、ほぼ満員のお客様が、一斉に自分を見つめているような気がして、心臓がまた早鐘を打ち始めました。
慌てて自分の足もとに目を落とし、気を静めます。「春よ来い」の演奏が終わり、いつの間にか、司会の戸谷さんが、
落ち着いた声で祝電を披露しています。さすがにプロは違うなと感心しきり。そして、最初の曲「トスティのセレナータ」の
前奏が始まり、「疾く流れゆけ、歌の調べよ」と歌い出すと、気持ちが集中して、雑念が消え去りました。
不思議なものです。本当に「アッ」という間に第一ステージの「セレナーデ特集」が終わりました。
控室に引き上げて、喉を潤しながら、テレビに映る第二ステージの「管弦楽アンサンブル」に耳を傾けます。
「ムジカおさらぎオーケストラ」は、横浜バロック室内合奏団のコンサートマスター小笠原伸子さん(Vn)をはじめ、
一流のメンバー23名が、この定期演奏会のために集まってくれたオーケストラです。毎年すばらしい演奏を聴かせてくれています。
今回はバッハの管弦楽組曲を演奏してくれましたが、適度な緊張感の後の、何ともいえない解放感をもたらしてくれました。
第二ステージが終わると、20分間の休憩が入ります。この間に、ジュニア合唱団の子供たちが、客席を廻って募金を集めます。
集まったお金は、今年もカンボジアやアフガニスタンの地雷除去や被害者のために寄付されます。演奏の上手・下手が募金の
多寡に現れると思うと、少しでも心を込めて、みなさまに感動を伝えなければと、気持ちを引き締め直します。
第三ステージは「オーケストラの響きと共に」ということで、ムジカおさらぎオーケストラの演奏に乗せていくつかの
オペラの曲を歌った後、なんと、「白鳥の湖」と「田園交響曲」を合唱しました。チャイコフスキーのバレー音楽や
ベートヴェンの交響曲がこんな素晴らしい合唱曲になるなんて! 歌いながら感動をおぼえました。
大勢の人たちと声をひとつに合わせてステージで歌うということが、こんなに楽しいことだったのかと、
改めて合唱の素晴らしさに喜びを感じました。この喜びをもっともっとたくさんの人々と分かち合いたいと思います。
さあ、来年の定期演奏会に向けて、また練習に励むことにしましょう。 (Y)
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